骨片
三浦しをんの短編。
「明日からは餡をこねるのです」という台詞、それに対する先生の返しが好き。
でも、どこが好きなのか、どう好きなのか、言葉にしてみようとすると、途端にわからなくなる。
私の「好き」は、すごく浅くて、曖昧な言い方に甘んじていて、それ以上考えようとしていないなと思う。
考えることが大事と大好きな先生が言った。
考える。考える。
私は自分がどうしたいのかわからなくて、そこで考えるのをやめてしまったり、他人に考えることを任せるところがある。考えるのは苦しくて、逃げたくなる。
それでも、人生って、毎日考えることの連続で、こんなに考えなければいけないことがあるのか、と驚いてしまう。
最近は考えよう、考えようとしても、頭がショートしてしまったみたいに、動かなくなることが多い。
ネットや雑誌でふとした拍子に、似た顔の人を見ると息がつまる。目を逸らしてしまう。
その人のこと、嫌いになりたいわけではない。むしろその人が言っていることは正論で、私が考えなしで、不勉強で、頑張っていないだけ。
なのに、これまで言われた言葉やその時の態度、語勢なんかが蘇って苦しくなる。
そんな自分に気づくと、情けなくて、なんて駄目なやつなんだと、甘ったれるなと、そんな気持ちになる。あまり自分を追い詰めない方がいいとはわかっているけれど、でも駄目なのは自分だという考え方が消えない。苦しいなあ。遠回りしてるなあ。
前に書いた記事を遡ってみると、文章がおかしかったり、内容にまとまりがなかったり、かなりひどい。備忘録はともかくとして、整理にはなっていない。けれど、いい。これでいい。
ラベンダー色の新しい靴をおろした。明日はこれを履いて、外に行きたい。